空き家を大改造!
空き家となって物置と化している作業場を住宅にします。

まずは無用な間仕切りの撤去を行いすっきりさせます。
新しい間仕切りのため、基礎を作りが最初の工事

耐震のため壁は金物を併用して補強します。
筋かい金物は一般的な右の箱形より、左のようなプレートの方が
便利です。古い建物は土壁があるので箱形を使うと壁を落とさないといけません。
狭いところでの取り付けも無理ですしね。

柱の上下端はこんな金物を使い補強します。

取り付けるとこんな感じ。

これに構造用合板を貼れば完璧です。

元々作業場だったので間仕切りはほとんど無くて、方づえで補強してあります。
方づえは大きな力がかかった時に柱の一部に力が集中するため、
あまり使わない方が良いのですが、
この場合は作業の邪魔にならないように壁を作らず、
方づえとなったのは仕方のないことです。

今回は、住宅としてリフォームするので、間仕切り壁を作ります。
この壁は耐力壁として利用できるので、土間のコンクリートを割って基礎を作ります。


このまま基礎工事を続けたいところですが、
工程の都合で一時中断、今は屋根工事です。
古い野地板の上に補強のためのOSBボードを貼っています。

2月下旬でこんな感じです。

内部にしっかりした壁を作ることでかなり強い建物になりました

さて、間仕切りを作り建物は丈夫になりましたが、
外壁廻りは補強できていません。
土壁のため、少々やっかいです。
筋かいの幅に合わせて壁を掻き落とします。
そして、そこに取り付けです。


厚さは30ミリしか取り付けられないので、
圧縮の耐力は無いことになります。
それでも金物でしっかり取り付ければ
かなり丈夫になります。
場所は違うけどこのような感じになります。

この上から構造用合板を貼れば強度はかなり期待できます。
筋かいを入れた壁に構造用合板を張ってさらに補強します。

この上にプラスターボードを張ってクロス仕上げです。
力のかかる1階部分の補強は基本的にこんな感じです。

さて、2階部分の補強を紹介しましょう。
外壁周りの耐力壁については1階と同じようなものです。

ただし、天井と2階床はそのまま
残すので端部のみ穴を開けます。


その後、既存の床板の上に構造用合板(今回はOSBボード)
を張って床面を補強します。

耐震補強の補助を受けたりして
法規面で厳しい場合は、
既存の床板を取り外して、
そこに張らないと補強として認められませんが、
今回は低予算リフォームなのでこの方法としました。
実際にはこの方法でも、水平方向の強度を
上げる面でかなり期待できますし、
仕上げのフロアー材を張る下地としても利用できます。
2階の子供部屋を紹介しましょう。
壁は最近では珍しくなったプリント合板です。

耐久性とメンテナンス性ではクロス仕上げよりも優れています。
そして、天井はロックウール吸音板です。
部屋の反響を押さえ落ち着いた生活環境が期待できます。

カーテンが付くと部屋らしくなりますね。

出入り口はドアになりました。

もう一つの子供部屋も以前は和室でした。

それがこのようになりました。

さて、改造工事もほぼ完成しました。
2階から1階に下りてみましょう。

まずは、2階階段上のホールです。
階段を上りきったところにはクローゼット、
夫婦寝室がスペースの
都合上押し入れをつけられなかったので、
部屋のすぐ外に収納スペースを用意しました。
リフォームの場合、間取りに自由がないのが難点ですね。
正面のドアはバルコニーへの出口です。

同様に自由がないから無駄とわかっても
階段の上は吹き抜けに。
これが開放感や、明るさ、通風に良い効果が
あるのは確かですけど。

階段上のジャロジーは比較的大きめにして
階段下の採光を考慮しました。
ただ、西向きなので夏は暑いかも(汗;

階段下のホールから奥へと続く廊下、
右は6尺のクローゼット二つと左に洗面、
脱衣奥のドアは納戸の入り口です。

1階のクローゼットは小物や
箱物を収納するため、
中段は1500ミリと高めにしてあります。
中段下は2本のステンレスパイプが
付けてあり、洋服を掛けておけます。

階段下はトイレスペースです。
平面プラン上奥行きが大きくなってしまうので、
便器後ろに棚を設け、開放感を持たせました。

10畳のDKから見た図です。
右の戸は先ほどの階段へ行きます。
左は玄関となっています。

システムキッチンはI型になりました。
当初、対面型を計画しましたが、
スペースの関係でどうしても狭くなってしまうので、
この形となりました。

DKと続く4畳半のリビングスペース
実質14.5畳のLDKと言えますね。
今回はお施主様の許可を頂いたので、外観の変化を報告したいと思います。
外装については当初は補修程度の予定でしたが、やはり、追加が出てもきれいにしたいとのこと。
まあ、こんな外観では中がきれいになっても実感が無いことは確かですね。

さて、どのように変わるか気になりますね。
工事中はこんな感じ

とっても綺麗になりました!!

細部の変化はこんな感じ


ごちゃごちゃしたスペースもきれいになりました。


玄関は移動して新規に作りました。
玄関前の通路の邪魔にならないよう、
3尺控えて控えたスペースはポーチとしました。

今回の現場はオール電化でした。
昔の電気温水器は電気ヒーターで
深夜電力を利用して沸かしていました。
だからタンクが空になれば次の日まではお湯が出ないし、
追い炊きができない不便なものでした。
今主流なのはヒートポンプ方式です。
簡単にいってしまえば
エアコンの暖房と同じ原理です。
当然追い炊きも可能ですし、
お湯が無くなれば沸かすこともできます。
で、オール電化にした場合、どのくらい得か?
それは続きで解説します。
オール電化の場合、電気料金は時間帯に
よって3つに分けられます。
一番高いのが昼間、一番安いのが深夜、
朝夕はその中間となります。
電気料金は一般の電灯やエアコンとヒートポンプ
すべて同じメーターで計算します。
昔のように深夜電力専用のメーターはありません。
つまり、すべての電気料金が
時間帯によって違うわけです。
夜遅くまで起きていて、電気を使う家庭は
メリットが大きいことになります。
逆に、お年寄りの家庭などで、夜は早く寝てしまい、
昼間はずっと暖房や冷房を使っている場合、
あまり安くならないみたいです。
今回の現場は、親子4人、
子供さんは小学生と一般的な家庭ですが、
今まで使っていた電気代とガス代のトータルと、
オール電化にした後の電気代を比べると、
ちょうどガス代分くらいは安くなったそうです。
もちろん、それぞれの条件によってかなり差が
出るようだから一概には言い切れませんけどね。
ちなみに奥にあるのがお湯のタンク、
手前のエアコン室外機みたいなのがヒートポンプです。

一つ前のエントリーにガスメーターが写っていますが、
これは隣に建っている親御さんの家の物です。
オール電化とガスは併用できないのであしからず。
それと、お湯を沸かす際、ヒートポンプからは結露した水が
1時間に1リットル程度出てきます。
設置場所には注意が必要です。
1階 64.592平米 2階 48.834平米 計 113.426平米
総工費 \12,000,000-(エコキュート、バルコニーなどすべて含む税込価格)
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